スイートスキャンダル
「とにかく、アレルギーじゃないなら残しちゃダメよ」


子どもを叱る母親のような気分になっていると、柊君はしばらく何かを考えるようにあたしを見つめた後で、意味深な笑みを浮かべた。


「……何?」


「じゃあ、食べさせて下さい」


「は?」


「そしたら、きっと食べられると思いますから」


「なっ、何言ってるのよっ……!?」


「遥さんが食べさせてくれるなら、ちゃんと食べます。それがダメなら、作ってくれた人には申し訳ないですけど、残します」


キッパリと言い切った柊君に眉を寄せながらも、好き嫌いで食べ物を残すのは許せなくて…


少しだけ悩んだ末、持っていたお箸で椎茸を掴んだ。


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