スイートスキャンダル
「別に?最近、どうしてるのかな〜と思ってさ」


「どうもこうも、相変わらず仕事三昧よ。昨日だって残業した上に帰ってからも仕事してて、ほとんど寝てないんだから……」


「主任って、そんなに忙しいの?」


無邪気に小首を傾げる有紀の表情は、何となく柊君と似ている。


顔立ちは全然違うのに、雰囲気はどことなく彼を思い出させた。


「それもあるけど、旅行の後から仕事に集中出来ないのよ。お陰で、今週はずっと残業だったわ……」


ため息混じりにコーヒーを飲むと、有紀が不思議そうな顔をした。


「遥がそんな風になるなんて珍しいね」


他人事のように言った彼女に呆れて、今度はこれみよがしに深いため息を落とした。


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