スイートスキャンダル
「だからさ、あたしは最初から行く気がなかった、って事」


「はぁっ!?」


思わず大声を上げてしまったあたしは、周囲から集まった視線に謝罪の気持ちを込めて頭を軽く下げ、深呼吸をしてから有紀の方に向き直った。


「……柊君と二人で計画してたって事?」


「う〜ん、そう言うとちょっと語弊(ゴヘイ)があるんだけど……。まぁ、そんな感じかな」


「……そんな説明じゃ、ちっとも納得出来ないんだけど。ちゃんと説明してくれる?」


眉をグッと寄せて有紀を睨むと、彼女はバツが悪そうに笑った。


「あんまり言うと、柊に怒られるのよ……。だから、一つだけね」


有紀はコーヒーを飲んで、どこか柔らかい笑顔で続けた。


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