スイートスキャンダル
「結婚式までに一段落しそう?」


柊君は、あたしの仕事の資料に覆われたローテーブルに視線を遣って、心配そうに微笑んだ。


「う〜ん、どうかな……。一段階させるつもりで頑張ってるけど、今はとにかく人手不足だし……」


先々月から立て続けに寿退社をした女性社員達の仕事の皺寄せが、ほとんどあたしに来ている。


難しい仕事は無いから、それを一手に引き受けても問題は無いと思っていたのに…


結婚式の準備と並行して熟すのは予想以上に大変で、ここ最近は残業三昧の日々を送っていた。


「それに、昨日は誰かさんに邪魔されちゃったから」


しかも、昨夜は家で仕事をしようと久しぶりに早く帰宅した所、柊君にベッドに引きずり込まれてしまった。


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