スイートスキャンダル

「明日は早く帰れる？」


帰宅後、お風呂上がりのあたしの髪まで乾かしてくれた柊君が、不意にそんな事を訊いて来た。


「どうかな……。今日は仕事を置いて来ちゃったから……」


曖昧な答え方だったけど、また残業になるのは間違いない。


柊君もそれを察したのか、すぐに不安そうな顔を見せた。


「じゃあ、明後日は休める？」


カレンダーを見て、その日が土曜日だと気付いた。


休みたいのは山々だけど、このままだと休日出勤を覚悟した方が良さそうなのは、もはや言うまでも無い。


「最近まともに休めてないし、休むべきだよ。もし体調が優れないままなら、病院に行こう？」


柊君は、どこか不満げな顔をしていた。