スイートスキャンダル
柊君の態度に何となく申し訳なさを感じて、その後はいくら有紀に誘われても彼女の家に遊びに行く事は無かった。


反対に、彼女は家(ウチ)には何度か遊びに来ていたし、泊まりに来た事もある。


そんな日々の中、稀(マレ)に有紀の口から柊君の名前が出て来る事はあったけど…


どれも他愛のない話ばかりで、特に気に留めた事は無かった。


そのまま何年もの月日が流れ、柊君と二度目に会ったのは3年前の有紀の結婚式の時だった。


受付とスピーチを頼まれていたあたしに、彼の方から挨拶をしてくれたのだ。


初対面の時とは違った人懐っこい柊君の態度にほんの少しだけ戸惑った事を、今でも鮮明に覚えている。


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