スイートスキャンダル
「あのね、いくらあたしが“お一人様”に慣れてるって言っても、さすがにいきなり一人で旅行に行く勇気なんてないわよ」


予め決めていたのならともかく、不意に一人になったのに旅行を決行する勇気は無い。


干物女として生活していくうちに随分と図太くなったとは言え、初めての事を突然決行出来る程の強さは持ち合わせていなかった。


「大丈夫、大丈夫〜!ちゃんと代わりの子を行かせるから!」


そんなあたしに、有紀は思わぬ事を言い出した。


「は……?」


「一人じゃないなら大丈夫でしょ?だから、安心して楽しんで来てね!」


突然の提案に驚くあたしの耳元で、有紀のやけに明るい声が響いた。


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