スイートスキャンダル
何か、居た堪れないんだけど……


とりあえず布団に入ったものの、心の中は気まずさでいっぱいだった。


柊君が隣で眠っているという事があたしを妙に緊張させ、ついつい息を潜めて過ごしてしまう。


久しぶりの運動で体はとても疲れているはずなのに、羊を数えてみてもちっとも眠れなくて…


何度目かわからないため息をついた後、とうとう布団からそっと抜け出した。


物音を立てないように静かに襖を開けて、隣の部屋に行く。


それから、スースーと寝息を立てて眠る柊君に気を遣いながら、ゆっくりと襖を閉めた。


疲れてるのかな……?


落ち着きを取り戻した頭の中でそんな事を考えながら、ボストンバッグを開けた。


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