スイートスキャンダル

「足、痛くないですか？ヒリヒリしたりとか……」


ついさっきまで笑っていた柊君が、不意に眉を下げた。


心配そうなその顔は、彼がこの三日間で何度も見せた意地悪な表情からは想像出来ない程、真剣な雰囲気を纏っている。


「平気よ」


「本当に？」


「本当だってば」


念押しして訊いて来る柊君に、思わずクスクスと笑ってしまう。


「もし少しでも痛むようなら、すぐに言って下さいね？」


「わかったわよ……。でも、言ったってどうしようもないでしょう？」


微苦笑を零すと、柊君は間髪を入れずに口を開いた。


「すぐに病院に連れて行きます」


あまりにも真剣な表情の彼に、目を瞬(ｼﾊﾞﾀ)いてしまった。