スイートスキャンダル
柊君が大阪に住んでいる事に驚いたけど、彼がそれ以上は何も言わなかったから、あたしも何も言えなかった。


大阪かぁ……


新幹線でも結構遠いよね……


ふと、柊君が住んでいる場所との距離を計っている自分(アタシ)がいる事に気付いて、慌てて首を横に振った。


何考えてるんだろう……


そんなの、あたしには全然関係ないのに……


ため息混じりに心の中で呟いた後で、胸の奥がチクリと痛んだ。


もう、何なのよ……


「遥さん、もういいんですか?」


「うん、お待たせ」


気を取り直して会計を済ませてから外に出ると、店の前で地図が書かれた看板を見ていた柊君がニッコリと笑った。


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