君の空
コイ


次の日の朝、私は
早く佐和に話したくて
いつもより早く起きて、
いつもより丁寧に髪を巻いて
いつもより早く家を出た。

((ガラガラガラ

「佐和っ!おはよっ!」

「ゆめぇ?今日は早いね。
どうしたの?」

不思議そうに佐和が
私を見つめる。

「あのねっ!昨日、中谷くん
と公園で合ってね、
中谷くんも空が好きなんだ
って言って空を見てて、」

私が必死に話してるのを
見て佐和はにやにやしていた。
なぜか分からず佐和に
聞いてみると

「ゆめ、新くんに恋してる
でしょっ?!」

急に言われて私は焦る。
でもなぜ佐和は私が中谷くん
に恋してるって思うのか
分からなかった。

「っ!違うよっ?!」

「じゃあ、なんでそんなに
嬉しそうに話してるの?」

「違うったら、違うっ!
恋なんかしてないっ!」

「はいはい。分かりました!」

誤解を解けたのかは
分からなかったけど、
私は中谷くんが好きじゃない
そう言ってきっぱり断る
ことが出来なかった。

そして、あの言葉、

(空が、好きなんだ。)

忘れることが出来なかった。

< 7 / 21 >

この作品をシェア

pagetop