あぁ・・・うちな

「まぁ、もう辞めたからかなり力衰えてるけどな。昨日みたいなヘボ、前やったらありえへんかったんやけどな・・・。」


「それでえぇんやない?もう辞めたことや。これから喧嘩する力なんかいらへんし。」


「そうやな。よっ」



勝利がゴミ箱へ向かってペットボトルを投げた。



ガシャンッ―――


「「あぁ!?」」


そのペットボトルは見事にゴミ箱へ、とはいかず。




棚の上の花瓶に直撃した。


その花瓶は床に落ちて割れてもうた。



「勝利!」


「やってもうたぁ・・・」



しぶしぶ割れた破片を拾ううちら。



何でうちも一緒に拾ってるんやろ。



全部拾い終えて、その後看護師さんに謝った。


これはもちろん勝利さんの仕事。



うちはそんな勝利を見ながら陰でクスクス笑ってた。



「はぁ。最悪や。」


「勝利が悪いんやから、仕方ないやろ。」



「・・・はい。」


ションボリと肩を落として俯く勝利。

かわえぇなぁ・・・なんて、言えませんけど。


「・・・モノってさ」


そんな俯いたままの勝利が独り言のように話し始めた。


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