あぁ・・・うちな

そうやな、また明日。


明日からまたあの時間を一緒に過ごそう。



勝利が帰っていく中、うちはその背中に向かって手を振った。


勝利が見えなくなるまで、ずっと手を振ってた。


うちに気付いてほしくて。



うちのこの気持ちに気付いてほしくて―――。





次の日、うちは少し早足に図書館に向かった。


そして、あの場所へ。



「お、実奈子。いつもより早い?」


そこにはすでに勝利の姿。


て、勝利っていつからここにおんの!?



「ここ座るか?」


そこは勝利の隣の席。


うちは頷いてからその場所に座る。



「そういえば、実奈子て看護に進むん?」


うちはノートを取り出してそこに返事を書く。



『今のところ、それもえぇかなって思ってる』


「じゃぁ一緒に勉強するか?」


『もう一緒にしてるけど?』



「いや、そうやなくて。内容的に、俺は医者で実奈子は看護師志望やろ?せやから、俺がわからんところとか教えたるって言うてんの。」


『あぁ、なるほど。ほんとに?良いなら、頼むわ!』


「了解っ」


< 59 / 114 >

この作品をシェア

pagetop