あぁ・・・うちな

元々やりあってたし、みぞおち一発で倒すん得意技やったから。



「ば・・・かっ、み・・・」



勝利がその場に倒れこむ。



「ヒュゥ~。さすが、実奈子。あんたまだヤンキーしてんやろ?」


「うぅっ!」



「せやから、さっきから何やねんって言うてるやろ!?あぁ!?」



うちはあいつに向き直った。





そして、自分にあの頃の記憶を戻していく。



そっと目を閉じる。






あぁ、やったなぁ。


殴って蹴って、毒吐いて。



荒れてたなぁ。





幸太・・・うち、今日で終わりかなぁ・・・。




勝利は生きてもらわなあかんやん。


大学も決まったんやし。



ほら、うちはまだ明後日試験なわけやし。




受けたかったな。


勝利と同じところ、行きたかったんやけどね。




今は、勝利を護ることが大優先や。


幸太を護れへんかったあの時の自分を、今また苦しめる。


< 82 / 114 >

この作品をシェア

pagetop