タイトル未公開
初恋の人


「じゃあな」

「…うん」



拓真(タクマ)はあたしに背中を向けると、それだけ言って部屋から出て行った。


日曜日の…まだ夜も明ける前の薄暗い空の下、拓真は帰って行った。




数時間前まで、抱き合ってお互いの愛を確かめ合ったシングルベッドも…、1人で寝転ぶとどこか広く感じる。




あたしは、まだほのかに拓真の温もりが残る布団の中へ潜り込み、甘い夢の続きに浸る。







あたし、福井萌(フクイモエ)。

18歳。


清風(セイフウ)大学に通う、大学1年生。



春から学校近くのアパートで一人暮らしを始めた、ごくごく普通の大学生。




…だった。





…彼。

そう…、拓真と再会するまでは。






三浦(ミウラ)拓真、27歳。

大手保険会社に勤める、営業マン。



拓真は、あたしが小学6年生のときの家庭教師だ。







< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop