あくまとメイド!
「ふうん。
 なかなかわがままな人だね」

朝の稽古の後、
なぜか私は
相模先輩と深雪先輩に囲まれていた。

私が稽古をさせてもらうように
なってから、
頻繁に相模先輩は
武道場に顔を出すようになっていた。

ため息ばかりついている私に
声をかけてくれた相模先輩が

『何か悩み事があるなら聞くよ?』

と言ってくれたのだ。
そして深雪先輩も加わり、
私は
悪魔云々ということは省いて
今ある人の家で住み込みで働いていること、
そして、その主人がいろいろ絡んでくることを
愚痴ってしまった。

「そんなに大変なら
 そこを出たらどうなんだ?」

深雪先輩に言われてしまう。

「それができれば苦労はしないんですが・・・」

「法的に訴える手もあるぞ」

「い、いえっ。
 そこまでではっ。
 一応昔からお世話になっている方なので。
 ・・・仕事はちゃんとさせてほしいんですけど」

そこなのだ。
士狼にしろ、チョコにしろ
別に嫌われててもいいけど
仕事の邪魔だけはしないでほしい。

「えらいね、ひよりちゃん」

「ひ、ひよりちゃん?!」

名前で呼ばれちゃった!
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