あくまとメイド!
怒気を膨らませる士狼に
更紗さんが慌てる。

「士狼様。
 ご心配をおかけして
 申し訳ありません。
 ですが、私は戻る気はないのです」

「なんだと?」

ぎろりと士狼が更紗さんをにらむ。

その形相に少し震えながらも
更紗さんは引かなかった。

「50年前、
 初めて召還されて
 千尋と出会いました」

50年?!
その言葉にぎょっとする。
・・・えーと、
ってことは相模先輩は一体いくつなの?

「いろいろありました。
 その間に戻ろうと
 思ったこともあります。
 ですが、この先この人と
 生きていくと決めました」

その目に揺るぎはない。

でもそれは士狼を
苛立たせるだけだった。
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