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こんなこと今までは、なかった。


ただ、久しぶりに学校にいけばみんな笑顔で『久しぶりー!』なんて言いな がらわいわい集まって

そこに、自然と優壱や優壱達の仲のいい 直人達もきて


みんなでバカ騒ぎしてた のに。
わたしの唯一の居場所は学校だったはずなのに…












あはは。






『なーんちゃって』




だめだ、こんなの。全然


わたしらしくもない。


         

学校に行かなかったのは嫌がらせに怯えていたわけじゃないし


優壱のせいでもない。


眠かったから。うん。そういうことにしておく。








文句を言いいたいやつは言わせてればい いし

ふざけんなばーかだ、こんにゃろう。



優壱には…


優壱には 会ったらまず背中に紅葉ができるくらいぶっ叩いてやろう。

それで、


『友達でいたい』って伝えよう。








学校までは自転車で五分ほど

~♪




古い校舎なだけにチャイムもなんだか錆び付いたような音で、なんか間抜け。

それとともにみんなが飛び出しては階段ですれ違っていく

昼休み。







でもそんな中

あ、と声とともに廊下でひとりの女の子の足が止まった。




『……朝陽。』

『萌!!久しぶり!!』







『あー、うん。 久しぶり』



あれ


なんだこの空気は。




きゃははっと甲高い声と、耳に残るぺたんぺたん、という上靴の音。

『いくよー萌ー』









なんとなく。

なんとなくだけどこんな事になるんじゃないかな、とは思ってた。

でも、それでも   萌だけは


萌だけは違う態度だろうと思った。

なのに。



何で萌はこんなにもきまづそうにわたしをみてるんだろう。

『じゃ、もえもごはんいくから…』



待って



待って



『まって!』




びっくりして振り返る萌達。



『話したいからここでもいいから聞いて。答えて。説明して』





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