夜明け前
―それからはあっという間だった。
姉様に再会したその日、日付が変わる直前に姉様は亡くなった。
仕事で海外へ出ている両親に連絡をしたものの、間に合うはずがなく、話を聞いた母親はパニックになり、父親もまた会わす顔が無いと取り乱した。
―きっと、朔乃と珠花は祖父母に良い感情を持ってはいないだろう。
当たり前の感情だと思う。
けれど俺は、父も母も、あれから数えきれない程後悔し、涙していたのを傍で見てきた。
親子だから、素直になれない。意地を張ってしまう。
親子だから、分かって欲しい。一番の理解者であって欲しい。
『後悔だけはしたくない』
そう言って家を出た姉は、亡くなる前にこう言っていた。
『後悔はしていない。…だけど、もっと素直になればよかったとは思うの。親になって初めて、父様と母様の気持ちが少し分かった気がする』
今になって思うの。遅いよね。
そう悲しそうに微笑む姿は、家を出る時に見た姿と重なった。