わたるんといっしょ


という、二足歩行で喋る獣。ロケッ〇団のニャー〇を見た人たちの反応をしてしまう。


「分福……?」


なら茶釜と繋がる。

確かに二足歩行タヌキは茶釜を背負っていた。


亀のように茶釜から手足が生えているのではなく、おんぶ紐でがっちりと背中に固定していた。


「そうですっ、NOM局の分福言いますーっ。お見知りおきを、というわけで、お近づきの印に、インタビューさせてくださいっ」


ずいっと、マイク片手にせのびーなタヌキこと分福。


「えっと、ちょっと待ってください……」


日頃から人外を見るわたるんは、今更妖怪見たところで動揺はしないが、疑問点が多すぎる。


「藤馬さんの愛玩人間って、なんですか……」


まずはそこが引っかかったわたるん。どうにもいかがわしい響きだ。


「藤馬さんと僕は家族ですよ」


「なんとっ、トーマさんに息子いたんですかっ。ちょ、スキュープっ、スキュープっ!キャメラさん、トーマさんの隠し子ズームアップっ!」


「……」


あ、スクープか。
と、分福の言いたいことを受け取る。


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