わたるんといっしょ
病室のベッドで、はしゃぐ冬月を思い出す。
「『わたるんはんが、大好きって言ってくれた!一緒にいてほしいって!僕がやってきたことは、無駄じゃなかったんだ!』」
「冬月、くん……」
冬月と同じ姿でそう言われてしまえば、本人からそのまま聞かされた錯覚に陥る。
「三ヶ月入院やのに、わたるんはんのとこに行くぅ言うて困った子やわぁ。――まあ、分からんでもない。わたるんはんから『大好き』やなんて言われた日には、舞い上がりますえ」
「……、僕、そんなに本音を出せていませんでしたかね」
「遠慮やね。わたるんはんの気持ちが分からんでもない、わたるんはんが僕たちを好いてくれてんのは分かってますわぁ。友達なさかい。――やけども、面と向かって『大好き』言われんのはやっぱ、“違う”んどすぇ」