わたるんといっしょ


「ハッ、お前の人気落とす為にわざわざ来てやったのに、手ぶらで帰れるかよ。天神学園美少年部門で一位の奴が、どんなにムッツリで腹黒いか、証拠見つけてやらぁ!」


「腹黒さ一位は犬童くんでは……」


表向きは、『ふえぇ、かき氷であちゃまいたいおー』と言う男の娘である犬童であり。


「だぁ、いってぇ!」


などとかき氷を食い散らかす犬童をファンが見た暁には、阿鼻叫喚の嵐となろう。


しかしながら、そんな犬童を見ても動じない渉はあくまでも平常運転。自分用のかき氷をスプーンで崩していく。


「あ?なんかにやにやしてないか、わた公。タンクトップから見えた男の娘乳首に悶えたか、変態」


「いえ。友達が春夏秋冬家(ここ)に遊びに来てくれるのは、久々だなと思いまして」


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