【完】運命は罠と共に
深夜2時を過ぎた頃奈々の自宅へとついた。


さすがに寝てるよな?


自分で寝ててって言ったにも関わらず、起きていてくれたら嬉しいなんてことまで考えてしまった。


彼女を起こしてはいけないと、そっと鍵を開け、ドアを開いた。


この合鍵を使うたびに、俺が彼女にとって特別なものなんだと実感でき、それが喜びにもなった。


俺ってこんなに独占欲が強かったのかと、奈々と付き合い始めて初めて気付いた。


部屋の電気は消え、寝室から少しだけ明かりが漏れていた。


真っ暗な部屋では眠れないらしく、必ず小さな照明をつけたまま眠る。


普段は見せてくれないような弱い部分を見せてくれることが、本当は嬉しかったりする。


奈々は、あそこで寝てるな。


彼女が寝ているであろう寝室を横目に、冷蔵庫を開けた。


とにかくのどが渇いたから、何か飲もうと思ったんだ。


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