私を壊して そしてキスして

その後、母との電話で、彼が私の知らないところで何度も実家に電話を入れていてくれていたことを知った。


そして、母は「柳瀬さんのいうとおりにするのが一番いい気がする」と私に話してくれた。


「一人で、辛かったわね。ごめんね」

そう母が洩らした時、私は電話越しに泣き崩れてしまった。



きっと翔梧さんは、母にすべてを話しているということはない。
それは、私だけの問題ではない。
愛希の問題でもあるからだ。


それでも、何かを感じてくれている母の愛に気がつくことができた。

皆が敵ではない。
私を分かろうとしてくれる人がいる。

それを知ることは、今の私には、どんな薬より必要なものだった。


父の話をしない母の言動で、きっとまだ怒っているんだと思った。
けれど、母は今は自分の事を考えてと言って、私を安心させた。



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