私を壊して そしてキスして

「私は、そんなことはしたくありません」

「まぁまぁ、落ち着いて。
ちょっと一緒にお酒を呑みに行けばいいんだよ? 
もちろん営業も同行するし、残業つけていいから」

「いえっ、そういうことではなくて」


そんなことが当たり前に行われていることに、驚いてしまう。
そして、前の受付の人が突然辞めてしまった訳もわかった気がした。


「三友商事とは違うんだよ。使える武器はなんでも使って。
それじゃ、会議だから。後は営業と話して」


そういった部長は、何食わぬ顔で部屋を出ていく。


誰に話してもわかってもらえない。
そんなことって……。



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