私を壊して そしてキスして

「頑張りましょうね。
懲戒解雇になんてしたら、私が全部ぶちまけまるから、大丈夫」


部長に聞こえるようにそう言った彼女は、
「最後の仕事にあなたの手続きをしていくわね。
きちんと普通に円満退職。
懲戒解雇なんてありえないわよ、香坂さん」
といって書類を書き始めた。


「えっ、あの……」

「部長の仕事が遅くて助かったわね。
まだいろんな手続きすら終わってないの。
だからあとはここの書類を破棄すればオッケ」


彼女は部長の机の上に起きっぱなしになっていた、書類を手にしたかと思うと一気に破り捨てた。



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