私を壊して そしてキスして

一緒に覗き込んだ平井が、思わず噴き出した。


"これ、義理だから"

ピンクのメモにその一言。
そして、その下に「平井恭子」の名。


「アイツ、露骨すぎるだろ」

「ホントですよぉ」

「いや、よくできた嫁だ」


あははと豪快に笑いながら、そのチョコをポイッと口に放り込む平井。


「ち、ちょっと! それ、俺の……」

「恭子の手作り食べるなんて、お前には1000年早い」

「まったく、どんな夫婦ですか……」

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