野良猫にも希望はある?
 
 薄暗い8畳間の和室。

 和室には似合いそうもないブルーのカーテンの隙間から、容赦なく朝日が、僕の顔をサンサンと照らしている。

 早朝だというのに、気温はぐんぐんと上昇している。

「ハァ……今日も暑くなりそうだ」

 僕は布団の中で、溜め息混じりにそう呟いた。

 僕は勢いをつけて、布団から身体を起こした。これで、今日の8割の仕事が終わった……平日だというのに。後は3度の飯を喰うだけ。まるで猫のような、情けない生活ぶりだ。

「今日は早く起きたんだ。君にしては珍しいね」

「…………っ!」

 突然、後方から声をかけられ、僕は少し背筋を硬直させた。 
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