バイナリー・ハート
キスをしようとすると、ユイは気まずそうに顔を背けた。
「何だ?」
「だって、ソータが見てるし」
振り返ると、ソータがニヤニヤしながら、こちらを見ていた。
「いやぁ、オレの事はおかまいなく」
ソータの言葉を受けて、ロイドはユイに向き直る。
「ああ言ってる」
「私はかまうの!」
そう吐き捨ててユイは、ロボットを抱えたまま、リビングの奥へ歩いていった。
毎日、ランシュの前では嫌がらないのに、なぜソータの前ではダメなのか、ロイドにはよく分からなかった。