バイナリー・ハート


 ロイドの腕の中で、ユイは嬉しそうに告げた。


「ランシュがソータと仲良くなって安心しちゃった」
「あぁ、そうだな」


 確かにそれも、思いの外うまくいった。
 このままロイドの思惑通り、復讐など忘れてくれればいいと思う。

 久しぶりにユイの温もりを感じながら、先ほど挨拶さえお預けにされたキスを仕切り直したくなった。

 ロイドはユイに、グッと顔を近付けて囁いた。


「プライベートな空間でならいいんだろう?」


 ユイの返事を待たずに、もう一言囁く。


「ユイ、愛してる」


 そして久しぶりに、ユイの唇を存分に堪能した。
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