バイナリー・ハート
 科学技術局はクランベール王国の国家機関だ。
 国の最先端科学を駆使して行われる研究開発は、当然ながら国家機密も多く含まれる。

 部外者の立ち入りやマシンの使用には、面倒な手続きが必要なのだ。
 そのためロイドが物品専用の小さな時空移動装置を自宅用に作った。

 朝食を終えて身支度を調えると、ロイドは玄関へ向かう。
 以前の玄関は店になってしまったので、今はリビング横に新たな玄関が作られている。

 今日は副局長が休みなので、よほどの大事件でもない限り確実に定時で帰れる。


「今日は早く帰るから、オレが夕食を作ろう。魚と肉とどっちがいい?」


 尋ねるとユイは嬉しそうに笑った。


「お魚。あなたの料理久しぶりだから楽しみ。じゃあ、私はデザートを用意して待ってるね」

「あぁ。行ってくる」


 挨拶のキスをして、ロイドは家を出ると、科学技術局へ向かった。

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