大地主と大魔女の娘
恐怖を覚えて目を見張っていると、いつもと違うその人は、ぐいと私の手首を引っ掴んで引き上げた。



「立て。大魔女の娘。泣いている暇があるくらいなら、足りない税金の分しっかり働け」



 そう早口に一息に告げると、私が返事をする間も待たずに担ぎ上げてしまった。



 そのまま、荷の様に馬に乗せられて連れて来られた。

 そうして放り込まれた部屋で一夜を明かした。


 いつの間にか眠り込んでしまっていたようだ。


 しかし、荒々しく開かれた扉の音に驚いて逃げ出そうとし、向こうから押し開けられた扉に跳ね飛ばされていた。

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