4月1日の偶然少年A。



暗い部屋の中。
瀬川空(せがわそら)はただ座っていた。


別に何かすることがあって座っているわけではない。
空は俗に言う引きこもりで、学校にも行かないし
必要最低限しか外に出ることすらない。



だから何もせすただ部屋に座っていることが
自分の日常であり、毎日だった。



こんな自分が生きていて意味があるのだろうか?

死にたいと思うことは日夜あるけれど死ぬ勇気すらない、
ヘタレで弱虫な自分が嫌いで仕方がなかった。



そしてそれ以上に異常な奴ら…人間が嫌いだった。


そんな空はいつも通りそろそろ寝ようと時計を見た。
時刻は23:46をさしていて、日付は4月1日だ。


ああ、エイプリルフールか。
嘘をついても許される日だったな。




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