シュガー&スパイス
けっこん?
けっこん……結婚!!?
まさか、あたしとの事バレてるっ?
でも……ちょっと待って……。
今、社長令嬢って……
だから、その噂は間違ってるわけで
あたしは英司にプロポーズされてたわけで……
どうしようっ
あたしたちのこと、やっぱりバレちゃってるの?
顔面蒼白
血の気が引くってこの事。
頭真っ白で何も考えられない。
昨日の事、もしかして誰かに見られてたのかも。
どうしよう……。
どうしよう……!
その時、やっとエレベーターが開き、一気に人の波が押し込まれてく。
ボーっとしてて、気がついたら、オフィスの前に立っていた。
「…………」
中に入るのが怖い
もしかしたら、みんな知ってるかもしれない
もぞもぞと、携帯を確認する。
英司が心配して連絡くれてるかも。
でも
無情に表示されたそれは見慣れたディスプレイで。
あたしは力なくカバンに携帯をしまった。
「菜帆」
と、そこで、いきなり誰かに背中をポンっと叩かれた。
ひゃあああ!