夫婦の始まりは一夜の過ちから。
「そしたら元カレと別れずにいれたり…。結婚するまでエッチしないのは時代遅れでウザいとか」
「……」
「ヤらせてくれないお前は用なしだからって、捨てられずにすんだのに!友達だって失わずにすんだのに!!」
言いたい事を全て吐き出すようにアイドルへ捲し立てた私は疲れ果て。
思いっきり走ったみたいに…、階段を登った時のようにはぁはぁはぁと肩で息をしていると。
何か言いたげのアイドルがぎゅっと唇を噤んだ後。
「夏芽ちゃん」
何かを決心したかのように口を開き、
――こうはっきり私に言った。
「分かった」
「何が分かったって言うの?アイドルは私のなにが―…」
「俺、責任取って夏芽ちゃんと結婚する」