夫婦の始まりは一夜の過ちから。



そんな言葉が耳に届いた頃にはあまりの衝撃で、口をぽかんと開いたままアイドルの顔を見つめ――


もしや私の耳が間違って捉えたのかなとか、アイドルの単なる出任せだったのかなとか。


色々な事を考えていく。


その間を時間にすればきっと僅かな時間なんだろうけど、私的にはハッとするまでの時間がとても長く感じた。





「そ、それって本気?」





漸く私の口から飛び出たそんな言葉に、アイドルは表情かえずこくりと頷き口を開いた。





「当然本気。本気だから夏芽ちゃんに結婚したいって言ったんだよ」

「え…」

「そういう事聞いてくるって事は夏芽ちゃんは俺が軽い気持ちで、結婚してなんて言ったと思ったんだね?」





別にそういう人だとは思ってない、けど…



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