夫婦の始まりは一夜の過ちから。



ビルから出ると空は雨雲で一層私の気分も落ちていく。


こういう時って青空見たら少しは気持ちが楽になったりするのに、雨雲できれいじゃない空を見ていると今の自分を連想させてしまう。


早く帰ろう…


そう思いながら駅へと向かおうとした時。





「お疲れ」





そんな声が背後からしてきた。


この時間帯だから周囲には仕事が終わり家路につく人達がたくさん。


だからそんな会話が飛び交うのは当たり前。





「待ってって」





えっ?


そんな声と共に私の肩はグッと引かれて足がとまる。





「ちょっといきな…」

「よっ」





‘ちょっといきなりなにすんのよ’を途中で途切れてしまったのは…



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