夫婦の始まりは一夜の過ちから。
そのままグッと頭を押されて、アイドルの胸に顔を押し付けられている体勢になる。
苦しい…!と思う気持ち半分と、トクントクンと聞こえる心臓の音で気分が落ち着く気持ち半分。
私って重症なのかな。
「ねぇ」
「夏芽ちゃん?」
「アイドルはどうしていつも私の事可愛いって言うの?」
アイドルの胸に身体を寄せながらそう聞くと、上からはぁと溜め息が聞こえた。
「夏芽ちゃんは本当に分かってないね。この前も言ったけど、他の人はどうあれ俺からすると夏芽ちゃんは凄く可愛い。この世にいる女性の中で断トツで」
そんな事ないよ、という前にアイドルは続けてこう言う。
「他の人、俺以外の男は夏芽ちゃんの良さを知らなくていいの!」