夫婦の始まりは一夜の過ちから。
「い…ちはどうして平気なのかなって」
「……」
「ねぇ、教えてよ」
何も返事が返ってこなくて私は壱の肩に手を伸ばそうとした、のに。
「なっ、夏芽ちゃんもう一度言って」
「えっ」
キラキラの瞳のアイドルが私に熱い視線を向けた。
「どうして平気かの名前の言葉!」
それは…
「い」
「い?」
「ち!」
いつかしたみたいな会話。
「繋げて言ってみてよ」
「い…」
「夏芽ちゃん?」
「あー、やっぱりムリ!恥ずかしくて言えない」
ちゃんと壱と恥ずかしがらずに言えるまで待ってくれますか?
私の愛する旦那さん…!