夫婦の始まりは一夜の過ちから。
きっと壱と結婚しただなんて信じてもらえないだろうし、黙っていた事に何か言われちゃうかもしれない。
入籍は突然だったと言えども壱と知り合った事は黙っていた訳だし。
「中谷くんちょっといい?」
「え、あ、はい」
ボーッとしていた内に朝礼が終わっていた様で、上司が私のデスクまで来て会議室に来るようにと言ってきた。
私、もしかして何か仕出かしちゃったんだろうか。
そんな考えが頭に浮かんでくる。
冷や汗をかきながら上司の後を追いオフィス内にある会議室へと入る。
「あの…」
「話しは座ってから」
怖ず怖ずと腰を下ろすと上司はゆっくり口を開いた。
「さっき連絡が来て聞いたよ」
「連絡ってどこからですか…?」