夫婦の始まりは一夜の過ちから。



頑張れよ、と先輩にパコンと丸めた書類で頭を叩かれデスクへと戻る。


椅子に座る時にチラリとことみのデスクに視線を向けると、整理整頓が好きなことみのデスクとは思えない程の散らかりよう。


やっぱり変だ。


ことみが私を避けてる事といいデスク上をあんなにぐちゃぐちゃにするなんて。





「夏芽さん」

「どうしたの?」

「お節介かなと思ったんだけど。やっぱり今のままじゃダメだと思って…」





私は手を動かすのをやめて身体ごと鴨島さんに向ける。





「今日のお昼。私のかわりに喫茶店に行って」

「えっ?」

「私のかわりにことみさんとランチしてきてほしいの。絶対に絶対に」





何がなんでも!と付け足した鴨島さんは近くの喫茶店の名前を呟いた。



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