夫婦の始まりは一夜の過ちから。
壱と一緒に歩みそして前を見て向かっていくと決心してしまったから…
お父さんにもお母さんに送った同じ内容のメールを送り、給湯室を後にし、給湯室を出てすぐに向かったのは上司のデスクの前。
「早く伝えた方がいいと思ったので言いに来ました。明後日に決まりました」
そんな言葉だけで理解したように大きく頷いた上司は。
「胸を張って堂々としてたらいいよ。中谷くんは何も悪い事してないんだから」
「ありがとうございます」
「うん。あとアレのことだけどね」
アレというのは退職届の事。
「はい」
「どんな状況になるか分からないけど、大丈夫と見なしたらシュレッダーにかけておくよ。それじゃ、明後日中谷くんは休みだから今日と明日はっきり働いて」