夫婦の始まりは一夜の過ちから。



心配でどうしようもないくらいこの気持ち?


それは私だって言える事だ。


私も壱の事をどうしようもないくらいに心配している。


それこそ壱といつか話したように私が透明人間になれるのなら常に見張り、仕事中の壱も私がいないどこかへ行くにも離れずにいるだろう。





「夏芽ちゃんを送ってすぐ帰るから、ね?隠れてつけたりしない」

「当たり前でしょ」





だけど、私はあえて壱のように自分からは伝えない。


いや――


伝えなくても壱には私の全てが見透かされているから伝える必要がないんだ。


そして、見透かされている事を知っていても時々は素直に伝えたい。


壱の為に、自分自身の為に。


‘好き’も。


‘愛してる’も。


私は素直に伝えられるよ。



< 535 / 537 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop