不器用なぼくら
2階に行くと雑貨を通り抜けて

奥の扉に向かった



「入るよー」



ツンツンヘアーの彼が入って

後に続いて私も入った





室内はロッカーとテーブル

イスがあった

壁にポスターや落書きが

たくさんしてある



「あ、山さんこの人…」



「お?何だ太郎ー彼女か!」



「違うー、今日から来る人って言ってたよ?」



あ、挨拶挨拶



みお「お電話で採用頂いた田中みおです!」


ぺこっとお辞儀をした








沈黙が続く






何…何も返事がない








山田「あぁ!田中ちゃんか!悪い悪いー俺物覚えが悪くてな!俺は店長の山田ってもんだ」



みお「よろしくお願いします」




この人が店長さんだったんだ


店長さん…て言えばいいかな



山田「んでコイツが清水太郎!この店のオープン時から働くアルバイト界の長老だ」



太郎「たろーだよ…」



さっきのツンツンヘアーの彼が清水さんというらしい



山田「もうすぐで他の奴らも来るから、とりあえずエプロン付けて待ってて。長老ーロッカー教えてやってくれ!」



太郎「あい」



テーブルをよけてロッカーの前に立ってぼんやりしている清水さん



……?




太郎「こっちかこっち」



みお「え?」



太郎「どっちがいーい?」



指差した2つのロッカー


1つはステッカーがベタベタ貼ってあるちょっと使用感のあるもの


もう1つは扉にパンダの落書きがしてあるもの



みお「…パンダさんで」



太郎「ん。じゃ荷物置いてエプロン付けて」



渡されたエプロンは真っ黒のギャルソンエプロン


とりあえずきちんとしなきゃ


長い髪をひとつにまとめた










バタバタ……ガチャ






「あー寝坊しちゃった!失敗失敗ー!」



「ユキのチャリぶっ壊れてるから困ったよ」



「ふふっ。相変わらずだね!」



ぞろぞろ人が入って来た


男の人 2人


女の人 1人



山田「あ、お前ら早くエプロン付けろー新人紹介するぞ!」



3人はエプロンを付けてテーブルの近くにあるイスに腰掛けた



なんか…緊張してきた



山田「今日から入る田中ちゃんだ。みんなしっかり仕事教えてやれよ!」



みお「はじめまして!田中みおです。よろしくお願いします」



山田「とりあえず今日はカフェの方やろっか。さえ、お前今日は田中ちゃんの教育係な」



さえ「了解しました!」




山田「さー準備しろよー」



ぞろぞろスタッフルームからみんなが出て行った






さえ「私は望月さえ。さえって呼んでいいよ!」


みお「あ、はい!さ、さえ…ちゃん」


さえ「ふふ、じゃみお。行こっ」


みお「は、はい!」





さえちゃんはボブヘアーでカジュアルな服装


誰が見ても分かる可愛くておしゃれな女の人だった

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