泣いていたのは、僕だった。

side真司



―真司side―



おかしい。


創くんが行ったはずのスーパーで彼の目撃情報はなかった。


まさか……


またこの嫌な予感が当たったって言うのか?


だとしたら、僕はまた………。



家のドアを開けて中に入ると、翔一が駆けてきて、僕を出迎えた。



「おっかえりー!」
「………ただいま」


僕は首を傾げる。


人がらしくない行動を取るときは、裏に必ず何かある。


「えっと、あのな!創と隆がしばらく帰れないって」
「帰れない?どうして?」
「ちょっと二人で調べたいことあるらしくて……」


素直な翔一の弱点だ。


嘘が、下手。



「嘘、ついてるよね?」



僕は翔一に迫り、壁際に追い詰める。


逃げられないよう両脇に手をついて、覆い被さる。



「俺、嘘なんて………」
「ダメだよ。例え翔一でも、」
「ちょっ、顔近いっ!」
「嘘つくことは許さない。嘘つきは大嫌いなんだ。」


ニッコリ微笑んで、翔一を見据える。



「……目が笑ってねぇよ。」
「怒ってるからね。本当は二人、どうしたの?早く言わないと、何するか分かんないよ?」



頬を撫でるように触ると、拳が飛んでくる。



受け流して、笑って見せると翔一は、鳥肌が立ったと腕をさすっていた。



「やめろよ!気持ち悪いっ!!マジで鳥肌立ったろ!」
「あははは、ほら正直に話しなよ。」
「………………」


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