妖将棋 <十二神獣と朱眼狼>
辺りが明るくなったことで回りが見えるようになり、遥は短刀を懐から取り出し、声のした方へとすぐさま体を動かした。
「そこだ!!」
長い銀の髪がハラリと舞う。
その姿は銀の耳を頭から生やし、腰まで伸ばした輝く銀の髪。
瞳は獲物を狙うような鋭いものではなく、静かにすべてを見透かしているような、冷たいものだった。
「銀・・・狼・・・」
ポツリと呟くように言うと、銀狼は一瞬のうちにその場から離れ、また淡々としゃべり始めた。
「見つかっちゃったか。かくれんぼは僕の負けだね? 君、結構強いんだね? 兄さんに比べたら、まだまだだけど」
「そりゃ困ったな。お前らを封印して、朱眼狼を倒さねえと、こっちの身が危ないんでな?」
銀狼はそれを聞いてクスリと笑った。
「封印・・・か・・・。僕はそれでもいいと思ってるんだ」
「え?」
寂しい目をしながらポソリと呟くと、遥は怪訝な顔をした。
「何でもないよ。今回は君の力量を計って来いって兄さんに言われたから来ただけなんだ」
パチンと指を鳴らすと、多摩にかかっていた最後の鎖を解いた。
「これで彼女は自由だよ。僕の役目は終わったから、じゃあね」
「あ! 待て!」
小さな笑みを残し、銀狼はその場から泡とともに消え失せた。