青春と幼なじみ



時間は進んでいるが、なかなか下にはつかない。





仲直り…。



「葵…。
悪かった…」



「…?
突然どうしたの?」



「いや、さっきのケンカ…俺が悪かったよ」




「南…。
私こそごめんね。
なんか意地になっちゃってた…」



「……」



「……」




「「ふはっ!」」




二人同時に笑い出す。




「なんか、こんなしけてんの俺たちには似合わないな」



「そうだね。
やっぱ笑ってる方が一番いいね」



「だな」



俺たちは下に降りるまで外を見ながら、笑っていた。










「あ〜、楽しかった〜!」


「それは良かったね」



「うん。
葉月も一緒に乗れば良かったのに…」



「俺はいいんだよ。
お前らが仲直りしてくれたんなら」




「…うん!」




にっこりして頷く葵は先頭を歩いて集合場所に向かう。



俺は、葉月の肩を組んで




「ありがとな、葉月」



小さく呟いた。




すると、葉月は「どういたしまして」と笑っていた。






今日もまた、葵とケンカしちまったけど、仲直りができて良かった…。








これからはもうちょっと素直になって、葉月みたいに優しくできっかな…。







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