青春と幼なじみ



「・・・なぁ、今度は射的に行こうぜ」




「そうだな」




私たちは今度、射的のある場所へ向かった。

















「いらっしゃい」



「こんにちは〜。
葉月先にしなよ」




「え、俺?」



「うん」



「でも俺、射的は得意じゃないんだが・・・」



「大丈夫。
下手でも一個ぐらいは取れるよ!」




「下手って・・・。
はぁ。
しょうがない」



折れた葉月は銃を構えて的を狙った。




「がんばれ、葉月!」




・・・結果は三発中当たったのが一回だけ。




しかも取れたのは小さい一個のガム。




「葉月・・・残念だったね」




「・・・次、葵だよ」




「うっ・・・!」




なんか葉月怒ってるし・・・。




「わ、わかった。
次私する!」




葉月の怖さに恐れてやると言ってしまった。




葉月同様、私も射的得意じゃないのに・・・。




えぇ〜い、どうにでもなれ!




私はヤケを起こして、可愛い手並みサイズのうさぎのぬいぐるみを狙った。




・・・・あっけなく沈没・・・。



まぁでも、うさぎに当たって跳ね返った弾が運良くキャラメルの箱に当たったのはラッキーだったけど。




「次、南だよ」



「おう」



私から銃を受け取った南はやる気に満ちた顔をしていた。




「葵」



「ん?」



「俺があのうさぎ取ってやるよ」




「・・・え?」




「心配すんな。
俺は金魚すくいはダメでも、射的は得意中の得意だからな!」




確かに南は毎年射的で結構な商品を取ってきてる。




射的が得意というのもまんざらではない。




「うん、じゃぁお願いしようかな・・・」



「おう、任しとけ」




楽しそうにニッと笑った南は、私がさっきまで狙っていたうさぎに狙いを定めた。
















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