御劔 光の風2
「雷神としての言葉だから従う必要はないが、総本山には付いてきて貰いたい。いいか?」

やっとリュナに向けられた目には、いつもの強さは感じられない。

少し気持ちが揺れている。

そんな風にリュナは感じてしまった。

「勿論です。でも、その、行く理由が分からなくて。」

迷ったがリュナは思っていることを口にしてみた。

確かに御劔はいつか総本山に帰るだろうと分かっていた。

しかし、カルサはまたここに戻ってくるとナルに伝えたのだ。

ただ行くだけ、現状を知る為だと言っていたが、その意味がリュナには分からない。

「太古の因縁がどうなっているかを…見に行くだけだ。」

「それは私たちに今後関わりがある、ということですか?」

「おそらくはな。」

本当に彼にしては珍しい、歯切れの悪い物言いだった。

いつものリュナならさらに深く尋ねてしまいそうなところだが、それを堪えて口を紡ぐ。

今はまだ話せない、カルサの態度がそう訴えていた。

ならば待とうと諦めの声を出すしかない。


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