天神学園高等部の奇怪な面々32
アリアス・シュールストロム、人類最速の男は俺だ
雲ひとつない晴天に恵まれた体育祭当日。

随分と空が高く感じられる。

まだまだ暑いと感じるものの、秋は着実に近づいているのだろうか。

まぁそんな季節感がある生徒など、天神学園には皆無。

体育祭開会式の教頭の挨拶も碌に聞かず、ガヤガヤと喧しい。

「そんなんいいからさぁ、早く競技始めようよぉ」

普段は背中までの黒髪ストレートだが、今回は体育祭という事でポニーテールにしている遊里。

「どう?どう?河童君、似合う?可愛い?いつもと違う魅力に惚れ直しちゃうでしょ?何なら、どぉぉおぉしても我慢できないってならハグしていいよ?ほら、お願いしてみ?『遊里ちゃんこっちおいで』ってお願いしてみ?」

「うっせぇ小猿!後でサバ折りしてやるから覚悟しとけ!」

毒舌でまくし立てる河童天狗。

でもサバ折りって技、ちょうどハグと同じ体勢だよねぇ、ぷぷぷ。

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